移植医療の最前線で
高度な知識を修得
藤田医科大学大学院では、全国唯一の臓器移植コーディネート分野を開講し、専門教育機関として多彩なカリキュラムをご用意しています。
充実した教育環境を整え、移植コーディネーションのプロとしてさらなる高みを目指すあなたの未来を後押しします。
カリキュラムのねらい
2つのコースに分かれて
医学的知識を体系的に学ぶ
移植コーディネーターの育成及び高度専門教育の必要性から、2016年4月に「臓器移植コーディネート分野」を開講しました。レシピエント移植コーディネーターコースとドナー移植コーディネーターコースがあり、医学的知識や倫理的諸問題などを体系的かつ学問的に学べます。
カリキュラムは講義・演習・実習・課題研究で構成され、臓器・組織移植の各専門領域及び関連領域における最新の知識や理論を学び、臓器・組織移植コーディネーションの高度な臨床実践能力を修得します。
修了後のキャリア例
レシピエント移植
コーディネーターコース修了生
- 認定レシピエント移植コーディネーター
- 現在の職を維持しながらキャリアアップ
- 看護学校教員
ドナー移植
コーディネーターコース修了生
- 都道府県臓器移植コーディネーター、認定組織移植コーディネーター、院内移植コーディネーター
- 看護職としてのキャリアアップ、看護学校教員、研究職等
カリキュラムの特徴
特徴 01
幅広い医学的知識が学べる
- 移植の専門科目では、各分野の専門家教員によるオムニバス形式の授業で最新の内容を学修できる
- 2年次の演習では、ロールプレイを中心に行い、またドナー家族やレシピエントなどの当事者から貴重な体験談が聞ける
特徴 02
現場で学べ、実践力が高まる
- 臓器提供件数や移植件数の多い藤田医科大学病院での実習を経験できる
- 公益社団法人日本臓器移植ネットワークや組織バンクでの研修に参加できる
特徴 03
専門知識を深め、研究力が養える
- 移植医療に必要な知識を専門的かつ体系的に修得できる
- 修得した専門知識をもとに、臨床での課題や疑問を探究し、修士論文にまとめあげることができる
カリキュラム詳細
レシピエントとドナー
選べる2つのコース
レシピエント移植コーディネーターコースとドナー移植コーディネーターコースがあり、コースを超えて共に学び合います。レシピエントサイドとドナーサイドを双方向的に学ぶことができます。
ステップアップで
臨床実践能力を修得します
講義 | コーディネーターとしての 基礎知識を固める |
---|---|
演習 |
ロールプレイで実践力を高める 当事者の体験談から学ぶ |
実習 | 臨床現場やあっせんの現場で 実践的に学ぶ |
課題研究 | 課題を見つけて解決する力をつける |
臨床実践能力の修得
カリキュラムは、講義、演習、実習、課題研究を通じて構成されており、実際の臓器・組織移植コーディネーションに必要な臨床実践能力の修得を目指します。
修了要件
- 共通科目及びその他の分野の特論から12単位以上(ただし、共通科目は8単位以上)、専攻した分野から18単位、合計30単位以上を修得すること。
- 課題研究論文を提出し、論文審査及び最終試験に合格すること。
共通科目
科目名 | 学修内容 | ねらい | 単位数 |
---|---|---|---|
保健学セミナー(必修) | 保健医療の現状と課題及び良き医療人の育成に必要な最新・高度な知識 | 保健医療の現状と課題の理解及び良き医療人の育成に必要な最新・高度な知識の修得 | 2 |
生命倫理学(必修) | 生命倫理学の歴史的な諸問題・基本概念及び臨床倫理学の方法と課題 | 倫理的問題・葛藤に、気づく能力、考察する能力、調整する能力、解決する能力の修得 | 2 |
コンサルテーション論(必修) | コンサルテーションにおいて必要な理論や方法 | 現場における実践的な問題解決能力の修得 | 2 |
チーム医療論(必修) | チーム医療の担い手となる良き医療人に必要なチーム医療のあり方 | チーム医療における協働と問題解決能力の修得 | 1 |
看護研究法(選択) | 基本的な看護研究方法とその研究過程、看護研究に伴う倫理的問題、研究論文のクリティーク | 看護研究を実施する上で必要となる能力及び研究成果を看護実践に活用するための能力の修得 | 2 |
健康科学概論(選択) | 健康の重要性と疾患の基礎知識 | 疾患についての疫学、成因、症状などについて基礎的な知識と生活習慣による疾患・病態の理解 | 2 |
医療安全特論(選択) | 医療安全の基礎知識と医療安全対策 | 医療事故の原因と予防方法の分析能力の育成 | 1 |
臨床教育学(選択) | 教育理論、体験学修や協同学修などの実践手法 | 医療専門職、学生としての教育能力の向上 | 2 |
保健実践入門(選択) | 保健・医療サービスの現象に関する文書の書き方の基礎及び統計学 | 論文の基本構造及びエビデンス実証に使用される統計解析 | 2 |
臓器移植
コーディネート分野(すべて必修)
科目名 | 学修内容 | ねらい | 単位数 |
---|---|---|---|
臓器移植に伴う倫理 | 臓器移植の倫理・法令と臓器システムの学修 | 臓器移植の倫理と仕組みの理解 | 2 |
臓器移植医療論 | 臓器移植の医学知識と社会的側面の学修 | 臓器移植の医学知識の理解 | 2 |
臓器移植コーディネート特論 | 臓器移植コーディネーター役割と技術の学修 | 臓器移植コーディネーターの理解と面接技術の修得 | 2 |
レシピエント移植
コーディネーターコース(すべて必修)
科目名 | 学修内容 | ねらい | 単位数 |
---|---|---|---|
レシピエント移植コーディネート演習 | レシピエント移植コーディネーターの具体的役割の学修 | レシピエント移植コーディネーション技術の修得 | 2 |
レシピエント移植コーディネート実習 | レシピエント移植コーディネートの実践学修 | レシピエント移植コーディネーター活動の理解 | 5 |
レシピエント移植コーディネート課題研究 | レシピエント移植コーディネーションの論文作成 | レシピエント移植コーディネーションの実践能力の修得 | 5 |
ドナー移植
コーディネーターコース(すべて必修)
科目名 | 学修内容 | ねらい | 単位数 |
---|---|---|---|
ドナー移植コーディネート演習 | ドナー移植コーディネーターの具体的役割の学修 | ドナー移植コーディネーション技術の修得 | 2 |
ドナー移植コーディネート実習 | ドナー移植コーディネートの実践学修 | ドナー移植コーディネーター活動の理解 | 5 |
ドナー移植コーディネート課題研究 | ドナー移植コーディネーションの論文作成 | ドナー移植コーディネーションの実践能力の修得 | 5 |
科目ピックアップ
代表的な科目の詳細をご紹介
演習
患者・家族に対する意思決定支援、医療チームへのコンサルテーション、継続ケア、対人関係とコミュニケーション、移植プロセスを実践するためのコーディネーションについて、SGD(スモールグループディスカッション)やロールプレイを通じて学びます。また、臓器提供・移植の当事者の体験談も聞くことができます。
移植医療に伴う倫理
臓器移植医療に関連する法令、倫理原則、倫理綱領、移植を取り巻く倫理問題などを学び、倫理的感受性を磨きます。また、わが国および諸外国の臓器配分システムについて学び、わが国の臓器提供、臓器配分の仕組みを理解します。さらに、倫理観を行動や態度で示すとともに、自律的意思決定を支援できる能力を育成します。
臓器移植コーディネート特論
臓器移植コーディネーターの役割及び臓器移植コーディネーターとして必須となる面接技術について学びます。具体的には、臓器移植のための登録・実施に関する手続き、移植プロセスと調整、臓器移植ネットワークや施設内外の医療関係部門の役割、レシピエント・生体ドナー、脳死下における臓器提供のプロセスなどについて学修します。
臓器移植医療論
臓器移植に関する医学的知識を学びます。具体的には、臓器移植の歴史、臓器移植の適応と疾患、臓器移植のシステム、臓器移植手術と周術期の合併症、感染症・免疫学・薬物・精神神経学、医療費、社会資源、臓器移植各期に必要な検査・ケア、脳死の病態と脳死判定、臓器提供システムなどについて学修します。
課題研究について
特論、演習、実習で得た知識、技術及び医療機関や臓器あっせん機関などでの研修により、生体及び死体からの臓器移植のコーディネーションに関する研究課題を明確にし、臨床に根付いた視点から論文を作成します。
このプロセス及び臨床研修を通じて、臓器移植のコーディネーションの臨床実践能力を修得し、その概念や理論の発展に向けて基礎となる能力を養います。
レシピエント移植
コーディネーターコース
昏睡型急性肝不全により生体肝移植を受けたレシピエントの心情とレシピエント移植コーディネーターの支援の在り方の検討 |
生体腎移植ドナーが求める腎提供後の支援-長期支援システム構築を目指して- |
腎移植患者の健康関連QOLと自己管理行動及び満足度に関連する要因の分析 |
脳死下膵臓移植患者の苦痛軽減と健康関連QOLの関連の分析 |
レシピエント移植コーディネーターが抱える役割遂行上の困難に関する調査研究 |
ドナー移植
コーディネーターコース
医療機関における外国人の臓器・組織提供の体制整備の必要性の検討-外国人留学生の臓器・組織提供に対する意識調査から- |
本邦の高等学校社会科における臓器移植に関する授業内容の調査 |
多様化する家族形態と脳死下臓器提供の意思決定過程における院内移植コーディネーターの役割 |
病棟看護師が抱く脳死下臓器提供に対する負担感と必要な支援に関する調査研究 |
法的脳死判定における脳波検査関連業務に携わる臨床検査技師のストレスと必要な支援に関する調査研究 |